歯周病により、骨粗しょう症が悪化してしまうことご存じですか?
まずは、骨粗しょう症とは…
骨粗しょう症は、骨の量が減って弱くなり、骨折しやすくなる病気です。わが国では高齢化によりその患者数は増加し、現在では1100万人以上と推測されております。
では、なぜ骨粗しょう症になるのでしょうか?
まず、初めに健全な骨の状態を保つには、2種類の細胞のバランスがとても大切になってきます。それは、骨を溶かす破骨細胞と骨を作る骨芽細胞です。
この細胞のバランスにより骨は安定した状態を保ちます。そして、このバランスが崩れてしまうと骨が粗になってしまい、弱くなり骨折しやすくなるのです。
そして、その原因としては、ステロイド剤の投与、卵巣摘出、加齢による腸からのカルシウムの吸収の低下や活性型ビタミンDの合成能力の低下など様々な原因がございます。
では、歯周病と骨粗しょう症とはどのような関係があるのでしょうか?
歯周病と骨粗しょう症の発症には共通点があり、互いに関連性があると考えられてきました。
歯周病により歯槽骨という歯が埋まっている骨やその周囲の歯茎などのやわらかい組織を破壊し、顎の骨の骨粗しょう症を引き起こします。さらに、進行すると歯をグラグラの状態にしてしまい歯が抜けてしまったり、顎の骨を次々に溶かしてしまったりします。こういった骨が吸収していく過程は、全身の骨を溶かす過程と同じなのです。
【歯周病と骨粗しょう症の相互関係】
歯周病が直接的に全身の骨粗しょう症に影響するのでなく、間接的に図のように歯周病があることにより顎の骨粗しょう症なり、咀嚼力が低下して骨粗しょう症が促進する場合と歯を喪失することにより促進する場合などが現在考えられております。
図1
歯周病が間接的に全身の骨粗しょう症と関連していることがお分かりになっていただけたと思います。
では、どのように歯周病治療や予防が骨粗しょう症のリスクを低下させるのでしょうか?
歯周病の治療や予防を行うことで、図1の歯周病から出ている矢印をストップさせることが出来ます!!下の図2をご覧ください。
図2
このように、歯周病の治療と予防を行うことにより顎の骨粗しょう症はもちろんのこと、全身の骨粗しょう症のリスクの低下につながります。
当医院では、歯周病を知るうえで大切な位相差顕微鏡や口臭検査(オーラルクロマ)を行い、歯周病の状態をきちんと把握し、歯周病の予防をする当医院のむし歯・歯周病予防プログラムと日頃のケアにバクテリアセラピーをすることで歯周病予防をなさることをオススメいたします。
次回、第9話では読売新聞で掲載された記事を交えて“歯周病とかむ力と口腔ケアの重要性”についてお話できればと思います。