「歯周病を放置すると、歯原性菌血症によりアルツハイマー型認知症のリスクが高まってしまいます」という題で今回はお話させていただこうと思います。
歯周病という病気はご存じかと思いますが、“歯原性菌血症”という病気はまだご存じない方もいらっしゃる方もいるかと思いますので、少しご説明させていただきます。
歯周病などでお口が汚れた状態ですと、歯茎が腫れていて出血しやすい状態になっています。そうしますと、食事や歯磨きをするたびに出血してしまいます。そのとき、歯周病菌が血管の中に入り、全身にまわってしまう事を歯原性菌血症といいます。お口から入った菌は1分で全身を巡ります。
そして今回は、この歯原性菌血症によりアルツハイマー型認知症のリスクが高まるというお話をさせていただきます。
アルツハイマー型認知症の患者様の脳の中から歯周病菌由来の物質が検出されたことから、歯周病とアルツハイマーの関係がある現在ではされております。
具体的には、歯周病を発症する2種類の菌(P.g菌、T.denticola)がアルツハイマー型認知症の発症に関わっているということが報告されています。
アルツハイマー型認知症の少しでもリスクを下げるためには、歯周病の予防もしくは治療をし、歯原性菌血症を予防することが必要だとご理解いただけたかと思います。
脳以外の体にも歯原性菌血症はさまざまな悪影響を及ぼしてしまいます。他の病気をお持ちでしたら、きちんと歯周病の予防治療を併用して治療なさることをオススメします。また、今の健康を維持したいと思われましたら、歯を大切にさせる事をオススメ致します。
最近、様々な体の病気が口腔と関連があるという事実が少しずつ出てきております。近い将来、病気になった時は必ず歯の治療や予防を併用するという時代が少しずつくるように思われます。
より健康な生活を送れるように当医院でも、歯の治療はもちろん予防をとても大切にしております。何か歯の事でお悩みがございましたら、一度ご相談いただければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございます。