前回の“第1話 お口の中の菌について”お話させていただきましたが、第2話ではあまり聞きなれない言葉かと思いますが、”バクテリアセラピーによる予防法”についてお話できればと思います。
最初に第1話おさらいですが、お口の中には善玉菌、悪玉菌、日和見菌という3種類の菌がいて、健康なお口にするには、善玉菌は20%、悪玉菌は10%、日和見菌は70%というバランスを保つことが大切だとお伝えしました。
今までの歯周病治療では、悪玉菌(歯周病菌など)の除去を徹底的に行って行くことでした。しかし、歯周病治療で除菌を行うとお口の中を健全に保ってくれる善玉菌も一緒に除菌されてしまいます。
そこで、北欧で考えられた予防法は、悪玉菌の除去のために歯周病予防や治療を行いますが、それに加えて、治療後にお口の中の善玉菌を増やし、健康な方と同じような3つの菌のバランスをとっていくというのが北欧で生まれたバクテリアセラピーという予防法です。
バクテリアセラピーとは、口腔内の菌のバランスを管理することで、お口の病気(むし歯・歯周病・口臭など)だけでなく全身の疾患の予防につなげていく新しい予防医学です。天然の乳酸菌を使用する予防法ですので、性別世代関係なくどなたでも(幼児でも妊婦でも)安心して取り組むことができる安全な予防です。
結局、バクテリアセラピーって何をするのかと言いますと、
簡単に言いますと、善玉菌(乳酸菌)の摂取です。
もともと人の体の中には悪玉菌と戦う強い善玉菌がいるのですが、生活習慣病の乱れや食生活の乱れなどのより、歯周病になっている方などでは善玉菌が少なくなってきてしまっている状態になっています。
そのため、ヒト母乳由来の善玉菌(乳酸菌 L.ロイテリ菌)を摂取することによりお口の菌のバランスをコントロースしていきます。ちなみに、摂取といいましても、タブレットになっていますので、アメみたいになめるだけです。
バクテリアセラピーで使われる乳酸菌(L.ロイテリ菌)のタブレットの特徴は
1)ヒト由来の定着性の良さ
2)天然の抗生物質である(薬ではない)
3)免疫システムに働きかけるチカラ
4)反作用・副作用がない安全性
5)国際的な臨床利用実績と科学的根拠の確かさ
などの理由により、現在世界63以上の国と地域の医療機関がこの善玉菌をパクテリアセラピーとして使用されています。
この方法が日本に入ってきたのが最近なのですが、その時からずっとこの方法で自宅でのセルフケアをしているのですが、朝起きたときのネバつく感じがなく、お口の状態がすごく快適ですので、ぜひ多くの方にお勧めしたいですね。
私は日本でも数少ない日本アンチエイジング歯科学会からバクテリアセラピストとして、認定も受けています。
次回の第3話では歯周病と全身疾患のお話をさせていただければと思います。
歯周病の予防と治療 ”第一話 お口の中の菌について”