最近、歯周病が抗菌薬で良くなると聞いたけれど、どうなのですかと良く質問されます。今日はそれについて少しお話させていただきます。
抗菌薬を使った歯周病治療のことをアンチバイオティクスと言いますが、抗菌薬治療で歯周病治療をされたいと思われていましたら、歯周病治療では“抗菌薬を使ったアンチバイオティクス”と“プロバイオティクス”を上手に組み合わせて治療していかれることをおすすめ致します!
アンチバイオティクス?プロバイオティクス?
それ何?と思われる方がほとんどだと思います。
歯科医師でもその言葉を知らない場合もありますが、歯周病を治していきたいと思われるのでしたら、やはりご自身の歯周病を治す治療にはどんなものがあるかをしっかり知っておかれ方がいいかと思います。
歯周病治療にはアンチバイオティクスとプロバイオティクスという2種類の治療法がございます。
・アンチバイオティクスとは…
最近、歯周病の治療に抗菌薬、主にジスロマックが使用されることがございます。
このように“お薬でお口の中の有害な菌(歯周病菌)を減らすこと”をアンチバイオティクスと言います。
この方法で歯周病治療をされても、お薬で菌を一時的に殺しただけですので、一生いなくなるわけではありません。また歯周病に感染してしまう可能性が十分にあります。
また、このジスロマックという薬はとても強い薬で、歯科以外でも使われることがあり、あまり頻繁に使用してしまうと、いざという時に効かなくなってしまいますので、頻回の使用は避けた方がいいかと思います。
また、有害菌(歯周病菌)を減らすという意味では、歯科医院やご自宅で行っている歯磨剤を用いたクリーニングなども含まれるかと思います。
・プロバイオティクスとは…
プロバイオティクスとは“共生”という治療法です。
アンチバイオティクスは”排除”という治療法で、まったく真逆な治療法だと言えます。
お口の中には大きく分けると善玉菌、悪玉菌(虫歯菌や歯周病菌)、日和見菌の3種類の菌で成り立っています。
この三種のバランスが崩れることにより、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
つまり、悪玉菌が多くなってしまうことにより歯周病になりやすくなってしまいます。
そこで、今までの歯周病治療ではアンチバイオティクスという”悪玉菌を排除する”といった治療をよくされてきました。
しかし、治療してもまた悪くなってしまうという事を経験された方が多くいらっしゃるかと思います。
そこで、悪玉菌が減った時に、悪玉菌が増えたことで減ってしまった善玉菌をお口の中に補菌してあげる事で、3種類の菌のバランスを保たせよう、つまり菌を殺すのではなく、3種類の菌を共生させて、悪玉菌が悪さをしない様にしようという治療がプロバイオティクスです。
当医院ではプロバイオティクスにバイオガイア社の”母乳由来の乳酸菌のタブレット”を用いております。歯を綺麗にしたあとにタブレット(ラムネみたいなもの)を舐めていただくようにして歯周病の予防に努めております。
以上のように、歯周病治療について少し知って頂ければ、治療法の選択に少しはお役に立てるかと思い書かせていただきました。
当医院としては、抗菌薬だけに頼るのではなく、ご自宅や歯科医院で行っているクリーニング等に重点をおいて、さらに予防という意味でプロバイオティクスを行っていただければよりよい歯周病の予防や治療が出来るかと思っております。
最後までご覧いただきありがとうございました。
佐藤歯科矯正歯科医院 (宮城県 亘理郡 岩沼市 仙台市)